この世界で二度きみを殺す






















公園に荒い息が響き渡る。


混乱しきった思考回路では、どれが誰の呼吸かわからない。


けど、そんなの気にならない。気にする余裕がない。


肩で息をする。ああ、体がズキズキする。





「―――…どうして、こんな事を?」


「―――……」



睨む。


答えない。


どちらが優勢かなんて、もうわかりきっているのに。




「……………たから」


「――え?」


「…殺されたから、ちさとに。身内を。だから近付いた」


「そして復讐のタイミングを見計らっていたと」



頷く。



「終いにこっちは強盗扱い。なのにそれを忘れて自分だけ幸せになろうなんて、許せない」



深い息が響き渡る。


ため息を吐かれた。



「―――"強盗殺人未遂事件"。
被害者は、新山夫妻と教育委員会の女性の三名」