この世界で二度きみを殺す

「行く!!
マリーゴールドがいいかなあ~~匂いきついかなぁ。
紫陽花のがいいかな?」



はしゃぐちさとを横目に微笑み、また視線を前に戻す。


上げていた唇の端が次第に下がり、瞳も別のものを捕らえるようになる。



今日の夜のこと。


これから起こるかもしれないこと。


これから起こすであろうこと。



廊下の端を捕らえる瞳で、そんな事を考える。




…求めながら、拒絶して。


苦しまなければならないなら、僕は。




「うん、紫陽花がいい!!
お庭にあったの全部無くなっちゃったしね!
帰りにピンク用とブルー用の花瓶も買うの♪」



見上げてくるちさとに、もう一度横目で微笑む。




―――苦しまなければならないなら僕は、何としてでも足掻こう。