「れっつごー!!」



こんなことを遙先輩が言い出してから10分後。




「今日部活ないんじゃなかったんですか…?」




着いたのはサッカー部の部室。




「は?ちがうけど?」



なんて顔をしかめて言う遙先輩のキャラは私の中で完全に崩壊。




王子様キャラはどこに行ったんだ……(ってか、さっき子どもっぽいことも言ってたような…)




「ま、入れよ。」




――――――ガラガラガラッ




ドアが開いて。




「また遅刻かよ……遙。」




凛とした声が響いた。




「すいませーん。」



部活ではこのふざけたキャラ……




「なんかキャラが違うぞ。」



じゃないらしい。



「どうでもいいじゃないですか。」



さっき、ちょっと緩んだ表情が元に戻る。



「まぁ、どうでもいいが…



お前が遅刻なんて珍しいじゃないか。




今日はファンクラブの奴らがいつもよりしつこかったのか??」




それにおびえた様子もないその声の主に。




「まぁ、それもそうですけど。



ちょっと別の用があって。」



遙先輩はそういった。



「そうか。」



「「………」」



そしたらなんかよくわからないけど沈黙が流れて。



「ってこんなことを言いに俺は部室に来たじゃないんです。」



そんなことを言った遙先輩。




(部活に来るときはまず部室に行くのが普通じゃないのかな…??)



なんて疑問を持ったけどもちろん口には出さない。