「ん?!」


あたしは角度を変えながら何度も松山君にキスをする。



その光景を遠くから目にした茜は、いきなり立ち上がってあたしを止めにかかった。



「ちょっと…、美香、やめなさいって!!!」



「ん~、やだぁ…」



しばらく格闘し、結局茜があたしを松山君から引き剥がして椅子に座らせた。



「もぅ、飲みすぎだよ、美香。早く帰らないと…。」


放心状態の松山君を見て、茜は申し訳なさそうに言った。



「ごめん、この子酔っぱらうと、抱きつき魔のキス魔になっちゃうの。ほんと、ごめんね!!」



松山君は顔を首まで赤くしたまま、無言で首を振った。



「松山君、悪いんだけど、この子家まで送ってもらえる?あたし自転車で来ちゃってて、自転車押しながら美香支えるのは無理だし…。この中で送れそうなの松山君ぐらいなんだ。お願いできるかな?」


確かに、もうみんな出来上がってしまっていて、とても送れそうな人はいなかった。



「…わかった。土屋さんの家の場所分かる?」



「今これに地図書くから。ほんとごめん、ありがとう!!」



そんなことになっているとは露知らず、あたしはぐっすりと眠りこけていた。