「なんか、いきなりしゃしゃり出てごめんな。」


松山君が振り向いて謝った。



「ううん、嬉しかった、かばってくれて。ありがとう。」



「いや、さっきのは明らかに言い過ぎだったし。放っておけなかったんだ。さっきみたいに何か言われたら、気軽に言えよな。」



「うん、ありがと。」



松山君って優しいなぁ。


きっと、彼女だったら大事にしてくれるだろうな。



「あ～、あたしも松山君に愛されてみたい…。」




ん?!




「茜!!勝手に変なこと言わないでよ!!」


「なによ～、美香の気持ちを言ってあげただけじゃない。」




「そんなこと思ってない!!松山君に聞こえちゃうでしょ～!」



「素直じゃないなぁ、美香は。今まさに恋する乙女の目だったよ。」


「嘘だぁ。そんなことあるわけないもん。」




「いや、絶対そうだった!
熱～い眼差しで見つめちゃってさ～。」




「もう、いっつもそればっかなんだから、茜は!」



あたしはプリプリ怒りながら更衣室へ向かった。