ミモザの朽ち木

母親がにこやかな顔で彼に近づいてくる。


――娘に素敵なプレゼントをありがとうございます。娘はとても喜んでます。


――ええ、彼女によく似合ってると思います。


――お礼のついでで申し訳ないんですけど、写真を一枚お願いできますか?


母親は愛想よく笑いながら、小型のデジタルカメラを彼に差し出した。


――もちろん、構いませんよ。


彼は快く応じてカメラを受け取る。

そして、彼の指先が母親の手に触れた時、母親の目に何かが揺らいだのを彼は見逃さなかった。