ミモザの朽ち木

彼はロータスのボンネットに腰かけて、しばらく三人の様子を観察した。


この三人を結束させているもの、それは極めて不確かな何かだ。

ほんの僅かな力を加えるだけでいともたやすく分断されてしまう、ひどく脆いもの。

それはきっと、人々が絆と称する何か。


彼は足元の地面に生えた若草を指先でつまみ取る。

すると茎がぷつりと千切れる。

これで根が地中から吸い上げる養分は行き場を失い、じきに若草は朽ち果てる。

機能停止。

二度と元には戻らない。


三人の結束は、この程度の微弱な力で崩壊する。


彼はそう考えた。