ミモザの朽ち木

パパとあたしがなにをしているのか、それを知ったのは一年も過ぎたころだった。

つまり、本当の意味で、自分が悪夢の中にいることを実感したのはこの時だった。

あたしは自分の置かれた立場に戦慄した。

心の底からパパが憎いと思った。

だけど、あたしはパパに逆らうことができなかったから、それからも同じようにパパと日曜日を過ごした。

もうやめようとパパに言ったところで、たぶんあたしは殺されるだけだから。


そしてある時期をこえると、感じなくなった痛みのかわりに、別の感覚があたしの中に生まれはじめる。

それに気がついた時、あたしは身の毛がよだつほど恐ろしくなった。

あたしという存在が、完全にパパの一部になってしまうような気がした。

あたしがあたしでなくなってしまう。

だとしたら、生きてる意味なんてあるのだろうか?


なんとかしなくてはいけなかった。

この境界をこえてしまったら、たぶん一生引き返せない。

一度でもそこに踏み込んでしまったら、あたしはもう終わりだ。


だからあたしは、この悪夢を終わらせるために最後の手段をとることにした。