ミモザの朽ち木

早く眠ってしまいたかった。

寝て起きたらパパはいなくなってるかもしれない。

明日になれば元どおりの日常に戻ってるかもしれない。

あたしはベッドにもぐり込んできつく目を閉じた。


パパの顔が頭から離れなかった。

もやに包まれたあたしの記憶から、パパのいびつな笑い顔がくっきりと浮かび上がってくる。


結局この日、あたしは明け方近くまでパパの残像に悩まされ、眠ったのかどうかもはっきりしないまま憂鬱な朝をむかえた。