「あぁ。お前んトコの依頼人、豊島 一哉さんと店のドアマンが殺られた」
「……え?」
透は一瞬意味が解らなかった。
何故豊島はここで殺されたのか。その前に何故こんな所にいるのか。
(まさか、1人で鞠 あさみを探しに来て、界達と入れ違いに!?)
透は頭が真っ白になった。
「豊島さんの遺留品から界と盟ちゃんの名刺が出てきて、さっき森永刑事が盟ちゃんに電話して確認とったんだ。
とりあえず2人には参考人として任意同行してもらう事になると思う」
「なっ!? 確かに依頼人だけど、界や盟はこの事とは……」
「分かってるよ、んな事!! でも上の命令なんだ」
「嘘だろ……。くそっ」
「透!!」
映が呼び掛けるのも虚しく、透は全速力で規制ラインから離れ、興信所へ向かっていった。
映はその場から離れて追いかける訳にはいかず、その後ろ姿をただただ見送るしかなかった。
その頃、界と鞠 あさみが丁度興信所に戻ってきた。
時刻は18時に差しかかる所だ。
「おい! 盟」
「界く~ん゛!!」
盟ではなく、ぐっちゃぐちゃに泣きはらした顔の泉が出迎えてくれた。
「やだ~!! なんで界くんと盟が警察に行かなきゃな゛らないの~!?」
勿論、界は盟からの電話で豊島の死と任意同行の話は聞いていた。

