一方、そのあさみは、一哉の言う通り例の歌舞伎町のバーに来ていた。
まだ昼間のバーに他の客はおらず、あさみはカウンターで1人で座っている。
元々ワケ有りの客が多いからなのか、店がワケ有りだからなのか、店員もあさみが1人で居た所で不審がらない。会員なら問題ないらしい。
しかし程なくして別の客人が登場した。
「アサミ」
「アポロン!! 遅いよぉっ」
あさみに声を掛けたのは外国人の男で、アポロンと呼ばれた。
白人系だが流暢な日本語を喋っている。
「ゴメンね。突然の呼び出しだったからさ。……何かあったの?」
アポロンは、トップが金髪、長めの襟足が茶髪、と独特の髪型をしており、服装も真紅のカッターシャツ。
外国人というのを差し引いても派手な青年だ。
彼はあさみの隣に座り、覗き込んむように彼女を見てきた。同時にあさみはアポロンにすがりついた。
「アポロン、あたしのマネージャーが探偵なんかに依頼したの! もう、ここで会うのマズいよぉ」
アポロンの驚きの表情は逢い引きがバレたからではなく、あさみが余りにも必死だったからであった。
その為、すぐ元の笑顔に戻った。

