「森永刑事、駆藤刑事、今回はご協力ありがとうございました」


 呈朝会を一斉検挙した刑事達のうちの2人が仕事の合間、興信所に(遊びに)来ていた。
例の金髪の女刑事と、メガネの刑事だ。



「いえ! こちらこそ犯人逮捕に御尽力いただいて感謝してます。何より……」


 そう言ったメガネの刑事は透を指差す。


「こんな弟までお世話になってー」

「こんな弟ってなんだ。こんなって」


 このメガネの刑事、駆藤 映(はえる)は透の双子の兄なのだ。


「こんな弟はこんな弟以外にどんな弟だよ? 友人のお情けで職の世話してもらってんだぞ?お前は」


「あー、うっせぇ! 一応世の中に貢献してるだろ? 俺達のお陰様で犯人逮捕に踏み切れてよかったですねー」


 兄弟間の醜い、というかみっともない争いを宥めるのは、またもや15歳の少女だった。


「まぁまぁ2人共っ! それに今回の事件の証拠ほとんど揃えたのは透くんなんだよっ」

「まぁ、決定的な証拠は、俺が大石に仕掛けた盗聴器で得た会話だけどなっ」


 界が得意げに主張した。

 そう、あの音声データの証拠は界が大石とぶつかったやり取りの際、細工し、盗聴したのものなのだ。