そんな彼も、きっとまともに寝れたものではないのだろう。



 今、興信所では盟とイオ、そして森永刑事が派遣してくれた刑事2人の4人で、犯人からの連絡を待っている。

 泉を誘拐したのは紅龍會として、その目的は一体何なのか。未だ犯人からの連絡は全く無い。
何故組織が探しているはずの盟やイオへのアプローチは無いのか。


 とにかく当事者である2人はいたたまれない想いで犯人からの連絡を待つしかなかった。







 まだ警察関係者でイオの事――彼が元紅龍會員であると知っているのは、透が話しをした森永刑事や映だけである。

しかし紅龍會という組織自体は森永刑事でも以前から知っていたと言う。


「ものすごく巨大な組織だって噂は聞いた事ある。まさかそのイオって男や『HEMLOCK』が関わってたなんて夢にも思わなかったケドな」


 透でも名前だけは知っていたくらいだ。紅龍會という組織は“そちら側”の世界ではやはり有名らしい。