HEMLOCK‐ヘムロック‐


 少女は絶望の淵でもしぶとく、聡かった。
少女は紅龍會について何も知らなかったが、このギリシャ神話の神達が両親の死のキーワードである事は確信していた。

 しばらく躊躇していた男も、ようやく沈黙を破った。


「アイリーン。君は全てを聞く権利がある。君のパパとママの事を――」


 男の話は、正に今後のアイリーンの人生を大きく歪めるきっかけとなった。

 この日から彼女は自身の両親を恨み、界の両親を憎み、紅龍會と言う組織を呪った。
そして彼女が縋る事が出来たのも、それらへの復讐だけであったのだ。