HEMLOCK‐ヘムロック‐

 無邪気に破顔していても美しいと形容できる美青年の突然の行動に、流石の盟も、顔から火が出るのではと思う程動揺した。

 さらに思い出される先程の長いキス。

 ある程度体調が回復し、気持ち的にも若干余裕が出来た今の方が、思考が冷静に働いた。

いくらなんでもさっきの自分の状況は色々危なかったのではないか? と盟は内心青ざめる。

 界にもう二度と会えないかも知れないと言う喪失感と、それでも自分を想ってくれるイオの気持ちに応えられない申し訳無さで、イオの行動に抵抗する事すら躊躇われたが、もしあのまま彼が止まらなかったら……。

むしろ今現在も興信所には盟とイオの2人っきりだ。現状は盟の身が特に安全になった訳ではない。


「メイ?」


 固まる盟の顔を覗き込むイオ。盟はハッとなってレンゲを奪い取る。


「じ、自分で出来るから! ……とっ、ところで泉、遅くない? スポーツドリンクとか買いに行っただけよね?」

「ああ、確かに。……って、もう5時間くらい経つよ!?」


 イオも自分で言って驚いた。この2人はしばらく共に眠っていたのだから、時間の感覚が無いのも無理はない


「5時間!? 絶対おかしいわよ!」