HEMLOCK‐ヘムロック‐




 その頃透は、界が残していった(と言うかわざと押し付けていった)西城株式会社の風評調査をしていた。

(どう考えたって調査から報告書製作、依頼報告まで1週間以上はかかる。
そこから紅龍會について調べるとしても遅すぎる。第一、俺が界を追いかけた所でどうなる? 事務所や盟達も心配だ……)


 風評調査とは文字通り依頼人の会社や取り巻く環境での風評を調査するモノである。

自分は社員にどう思われているか? あの店はどんな年齢層に人気なのか?
個人的なモノから法人的なモノまで様々である。そのため、依頼人が求める度合いによって調査の方法が変わってくる。

本格的なモノを要求されれば、イオのように会社や組織に溶け込み、調査する事もある。

今回はそれ程の依頼ではないが、素行調査並みに足を動かす必要のある仕事なのだ。


 今日はまだ収穫といった収穫は無かったが、盟達が気に掛かる透は、早めに切り上げよう。
と思っていたその時であった。ポケットのバイブが着信を告げている事に気付く。
画面を見ると、森永刑事からであった。


「もしもし?」

『透? 今平気?』

「はい。大丈夫ですけど?」