HEMLOCK‐ヘムロック‐




 やがて車はとある施設の地下駐車場へと入っていった。

 3人共あれから無言だったが、アイリーンにカツラを被って変装しろと言われ、界は再び茶髪の男になっていた。
さらに一応、伊達メガネも掛けておく。

 アイリーンが変装しろと言う事は、つまり、界の正体は伏せたまま、組織に招かれると言う事だ。

界は形としてだけ、ユノー研究所に入り込む事に成功した訳である。


『“この男”の事は伏せといて』


 そう言ってアイリーンは運転手にチップを渡した。

 3人が降ろされた地下駐車場の出入り口には、警備員が2人いる。アイリーンとランディは彼らにパスを提示した。


『彼にゲスト用のパスを発行してあげて』

『承知しました。ここにゲスト名と紹介者のパスコード、サインをお願いします』


 アイリーンは“シンゴ スズキ”と記し、紹介者欄には“ヘスティア”とサインしていた。
界もとい“シンゴ スズキ”に発行されたゲストパスを受け取り、3人は改札機の様なゲートを通って研究所内に入って行った。