HEMLOCK‐ヘムロック‐

まりなどの被験者実験や、2世の教育機関も存在する所であるとイオから説明を受けていた。
また、イオと盟が初めて出会ったのもその施設である。


 界にとっては“因縁の地”。

が、この場所こそが、彼が紅龍會を壊滅させる為に目をつけた希望の地でもあるのだ。

 しかし、今回それ以外にも界にとってこの場所には目的がある。




“カイくんに、助けて欲しい人がいるんだ”


 ――イオとの約束だ。


『その製薬所でまず最初に会いたい人がいるんだ。あんたなら知ってるよな? ヘスティアってコードの幹部なんだけど』




『いきなり幹部だなんて。大層な肝っ玉だなお前……』


 ふざけた調子で返したが、“ヘスティア”と聞いて、ランディはにわかに視線を落とした。
目元の彫りが深いせいで、悲壮な表情に見える。



『イオから、聞いているんだな?アイツの事』

『……全部聞いた』

『そうか』


 誰もいないこの通りに、2人の男が立っている様子は、灰色の倉庫の景色も手伝って、酷く侘びしい感じがする。


『ヘスティア……。アイツは、イオだけじゃ無ぇ。俺にとっても親友なんだ。だから、俺からも助けてやって欲しい』