HEMLOCK‐ヘムロック‐

 ヘルメスもとい、ランディは、紅龍會の最高幹部の1人でありながらそれが本業では無いと言う。


『俺は確かに幹部なんて大層な肩書きらしーけど、元々は“雇われ”なんだわ。イオみたいな“2世”とは違う』


 2世というのは、両親が組織の人間であり、生まれた時から組織に居た人間の事を言う。
と、界はイオから聞かされていた。

例えばイオや、盟がそうである。

界やまりも組織で育っていたなら2世に当てはまるだろう。

 2世には幼い事から組織の人間になる為の訓練や教育が施されるらしい。
よって12人の最高幹部や、数十名以上いる各地の幹部には、必然的に2世の者が多い。


『本業があるのにわざわざ雇われたのか?』

『まぁ、実は雇われたのは俺じゃない。親父の代でなんだ。俺は親父から組織の地位とヘルメスってコードを継いだわけ。
つまり、まぁ“雇われの2世”ってとこだな』


 紅龍會にも様々な生い立ちの人物がいるようだ。


 界はかねてより不思議に思う疑問があった。

なぜ自分は両親共に紅龍會の最高幹部でありながら、2世にならずに済んだのか。


雇われ2世とは言え、ランディがその辺の事情を知っているとは思えない。イオですら知らなかったのだから。