HEMLOCK‐ヘムロック‐

 界は震えていて、盟は思わず彼に覆い被さる様に抱きしめた。


「界、謝らないで。私だって、私だって……」

「お前は何も悪く無い!」

「界だって、何も悪く無いよぉ!」


 こんなに界と接近したのは初めてだった。

 暫く2人で寄り添う様に、ぐちゃぐちゃに泣いていた。




「盟、俺は親父の会社は継がない。代わりに俺の両親が関わっていた組織を捜す」

「うん」

「その為に、誰にも邪魔されない、俺が組織を捜す為だけの会社を作りたい」

「うん」

「盟、……お前にも、俺に協力して欲しい」


「うん!」


(界にそう言われて思わず涙が零れた。けどあれは、嬉し涙だったって覚えてる。
やっと界に許されて、認められて、本当の兄妹になれた気がしたから)


 でも思えばあの時から――。


(私の中で界が“兄”じゃ無くなり始めたんだね。

界が自分と私の為に。

頑張る姿を、一番近くで見て来れたから。


ねぇ、界、例え独り生き残れても、あなたが居ないと私は歩けもしないの。



どんなに辛くてもいいから、


私を独りにしないで)