HEMLOCK‐ヘムロック‐

 盟がイオにつかみ掛かり、肩をガタガタと揺する様は、正に狂っていた。

 いくらつらい過去を共有し、今まで一緒に頑張ってきた義兄とはいえ、それを失った盟の様子はその線をとっくに越えたモノだった。

 透と泉は初めて、盟の界への気持ちは兄妹としてでは無かったのだと気付いた。
考えてみれば、2人が本当の兄妹でないのなら、今までの盟の態度にはそう言った節が数多く見られた。


 荒れ狂う程に盟は界を求めて、泣いて、叫んだ。


 イオにとっては、彼女に界の居場所をせがまれる度に身を斬られる想いだったが、黙って耐えていた。


「盟、界は俺らの事を想って1人で行ったんだ……、分かってやれよ!」


 透が苦々しく盟に放つ。
その言葉に彼女は髪を振り乱して狂乱した。


「分かんない! 解んないっ!! わかんない――ッ!!!
……界――ッ!!」


 その瞬間、盟は顔を真っ赤にしながらその場に倒れ込んでしまった。
イオは慌てて彼女を抱き起こし、透と泉も駆け寄った。

なんと盟は物凄い高熱でグッタリとしたまま、気絶してしまった。