HEMLOCK‐ヘムロック‐

 盟はいつもの様に髪をセットせず、自分の席に座り、ダランと俯いていた。その髪で、彼女の顔色は読み取れない。

 透はとても捜査に行く気分では無かったが、このままでいる訳にはいかないと、盟に何か声を掛けようと考えている時だった。


「ドコなの……?」


 突然か細く呟いたので、皆が盟を見た。


「コウリュウカイの場所、教えて……。界には教えたんでショ?」


 盟が虚ろな眼でイオを見る。まだ涙に濡れるその目は、誰もがゾクリとするほど妖艶だった。



 イオは氷嚢を頬から離して、はっきりと言った。

「教えられない。カイくんとそう約束したから」


ダン!


 盟が拳で机を叩き、泉は小さな悲鳴を上げる。


「どうして教えられないの!!? 界には教えたんでしょ!!? 私にも教えてっ!!!」


 透も泉も、こんな彼女を見るのは初めてだった。威圧的な礼二や、キレた界とは別の種類の恐怖を感じさせる。



「ねぇ、アナタ私の事好きなんでしょう?
何でもする! どこにでもついてくから!界に会わせて!! 界はどこに居るのっ!?
アナタが教えたんでしょ!!?」