HEMLOCK‐ヘムロック‐


「まぁ、そういう事だろうが、アイツに関しては信用がおける。アイツは盟にマジだからな」

 恋愛程、周りが盲目になる物も無い。

 イオは盟の安全の為なら紅龍會を潰されたって構わないのだ。


 また、実は彼の個人的な事情で紅龍會を壊して欲しいと思う節もあるらしいが。
界はその点は2人に明かさなかった。


「兄貴、もし、俺が帰れなくなるような事があれば、透達を頼んでもいいか?」


 礼二も詠乃も驚いた。

いつも根拠の無い自信に溢れている界の、かなり後ろ向きな懸念と願い事。
彼が真剣である事の表れだった。


「まだ俺はお前が行く事も許してないぞ。一体、1人で紅龍會に乗り込んでどうする気だ?」

「紅龍會を潰す為に『HEMLOCK』を利用する」


 界はこの一週間、いや、『HEMLOCK』に辿り着いてからずっと1人で考えて来た自分の計画と勝算を語った。









「なる程な……」

「まぁ、それが有利かどうかは微妙だけど、有効なのは確かね」


 界の話を聞いての2人の感想だった。
 もう窓の外はすっかり日が落ちてしまっている。


「1人でそれが成せる? どちらにしろ危険よ。それに、全てが上手く解決するとは思えないわ」