HEMLOCK‐ヘムロック‐


「だったら、なんでこんな時にわざわざ2件も依頼とってくるんだよ? お前のやりたい事はさっぱりわかんねぇよ!!」


 透はテーブルの資料をガシッと鷲掴みし、自分の机の椅子に掛けてるスーツとカバンを手にし、事務所のドアへ向かった。


「さっさと終わらせてくる!」

 言葉の最後はバン! とドアを強く閉める音と同時で聞こえなかった。


「いいの? トオルくんの事」


 イオは一応ポーズで界に訊ねたが、心から心配。といった様子では無いらしい。


「透はやってくれる奴だ。なんも心配してねぇ。よし! 俺らもボチボチ働くぞ!」


 泉はただでさえ紅龍會の名前を出してしまって、しくじった感が否めないのに、目の前の膨大な量の仕事を見て肩を落とした。

 やはり今でも彼女は捜査がやりたいらしい。
ここから居なくなる気はないが、出来る事ならさっきの透の様に界に文句を言いながら、颯爽と事務所を後にして捜査に発ってみたい。という密かな憧れを抱いている。


「っと! 俺はその前にまりのトコ行かねーと。盟、一緒に来てくれ」

「? ……えぇ」