HEMLOCK‐ヘムロック‐


「今回人手が足りねーからさっ。そんな顔すんな透、コワイぞ」

「人手が足りないなら界も捜査に加われよ?」

「俺は今回は別件で動くから。悪ぃな」

「げー!! じゃあ泉、また1人で事務!? せっかくイオが来て楽出来ると思ったのにぃ~!」


 泉にとっては、イオは自分の後輩的な存在だ。その為、イオの事は“イオくん”ではなく、呼び捨てにしている。
そんなイオが捜査員になったとなれば、泉には面白くないだろう。


「ごめんねー、イズミ。事務も出来るだけ手伝うから! メイ、調査の時はよろしくねっ」


 イオの眩し過ぎる視線に若干引きながらも、盟は「えぇ」と答えた。


「にしても2件も依頼を掛け持ちなんて初めてじゃないか? 結構忙しくなりそうだけど」

「おぅ、かなり忙しくなるぞ!! みんな臨機応変に頼むなっ」

「てか、界くんの別件って何なの?」


 泉はまだ今回の采配を根にもっているらしく、界にジトっとした視線を向けて問い詰めた。
 しかし透には既に察しがついていた。


「紅龍會の件か?」




 泉は聞かなければ良かったと後悔したが、遅かった。