HEMLOCK‐ヘムロック‐


「動くな!」


 入って来たのは礼二と詠乃だった。2人共銃を構え、イオに向けている。
 全員が唖然と2人に注目する。


「……日本も物騒になったよね」


 イオは両手を挙げ、投降ポーズをとった。危険は感じていないが、このタイミングでの礼二達の登場は意外だったらしい。


「あら、日本で銃を持ってるのが警察とヤクザだけとでも思ってた?」


 礼二と詠乃の構え方は本物だ。


「お前、城戸か? ……俺の秘書をやりながら鞠 あさみに麻薬を流していたとは感服だ」


 礼二はイオを見て瞬時に勇と、界が撮影したアポロンがリンクした。


「なかなか定時に帰れなくて大変でしたよ、社長。アナタよっぽど兄弟想いだよね。おかげでメイと界の事調べるの苦労したよ」


 今や興信所はイオを中心に界、盟、透、泉、そして反対側に礼二と詠乃が取り囲む形で展開している。


「お前、紅龍會だろう?」


 礼二の問いにイオは大きなため息をついた。


「もう一回言うけどさ……、俺は紅龍會を、抜 け て 来 た の!!」


「何?」


 てっきり紅龍會が攻めの態勢に入ってきたと思っていた礼二と詠乃は、訳が解らないと言った表情だ。


「俺はメイを迎えに来たとは言ったけど、もちろん紅龍會にって意味じゃない。あくまで俺個人で迎えに来たって話し!」

「……解る様に話せ」