泉は半泣きになりながらも、必死に頭を回転させて状況を理解しようとしていた。
イオと名乗ったアポロンは、紅龍會を裏切って日本に来たと言った。
その前に「盟を迎えに来た」とも言った。
盟も、界もその言葉に反応した。が、アポロンが紅龍會を裏切ってここに来たという事には驚いていた。
つまりアポロンが盟を迎えに来る事自体には心当たりがあったわけなのだ。
『迎えに来た』
この言葉が指し示す意味を、泉はどう考えても1つしか導き出せない。
盟はアポロンと同じ場所にいた?
紅龍會に――?
「結局盟については何も解らなかった」
あの時の礼二の言葉が泉の中で反芻する。
嘘だ。
盟が紅龍會なんて。
彼女は界や礼二の妹で、ちっちゃいビルの興信所秘書で、私達の仲間。
誰か“そうだ”と言って――。

