「界の本当の妹……、伯方 まりさんと言う。生きているなら、25歳。名前も歳も、盟とは全く異なります。
きっと盟には替え玉とは違う、別の意味があるはずなんです」
それが礼二から聞けた最後の情報であった。
透と泉は期待と覚悟以上の真実を受け、どうしていいか解らないまま帰路に就く事となってしまった。
東京湾岸署・拘置所。
手錠をかけられた女性が2人の監視官に挟まれて静かに廊下を渡っていた。
「面会だ。入りなさい」
監視官に促されるままに女性は面会室に入った。
アクリルの仕切りの向こうには知らない女が待っている。聖職者。シスターだった。
「こんにちは鞠 あさみ、……いいえ、篠原 亜佐美さん」
「誰アンタ?」
あさみは面会室の席についた。よく見たら、シスターはまだあさみとそう変わらない若い女だった。
「私は新宿教会の者です。篠原さんがカトリック系の家系だとお聞きしまして、あなたの為にお祈りを捧げたく参りました」
確かにあさみはカトリック系の家系で育ち、洗礼名まで貰っている。
実は芸名の“鞠”は、洗礼名のマリアーンから来ているのだ。
「犯罪者にもお祈りを下さるなんて、神様は心が広いんだ?」

