「父は無意味に暗号を遺したりしない。しかもこんな分かりやすい物。私は紅龍會について徹底的に調べた。君達も良く知る鳳至 詠乃と手を組んで」
確かに礼二と詠乃が手を組んだらどんな情報だって手に入りそうだ。
「そして判ったのが『HEMLOCK』。『HEM』は紅龍會が作った薬です」
透と泉は目を見開いて礼二を見た。
「すごい! それ、本当ですか!? そっか! だから界くんや礼二さんは『HEMLOCK』の事を……」
「紅龍會は実在するとして、でもそれが礼二さんへの遺言や界とどう関係するんですか!? あなたのお父様は一体?」
「私の推測では、きっと界の過去に関係していると踏んでいます。
14年前、界が家族を失った事件。行方不明の妹。そして、それ以前の界には……、外国で暮らしていた形跡がある」
「外国!? それって確かなんですか? あなたは界をどこまで知っているんですか!?」
詰め寄る透を避けるかのように、礼二はまた窓の方を向いてしまった。
「ここまでです。結局盟については何も解らなかった。しかし界と盟が私に何か隠しているように、盟にもきっと意味があって黒菱家に連れて来られたのだと思います」
「盟の意味? 界くんや礼二さんの妹としての意味……?」
泉は神妙な表情で呟いた。

