HEMLOCK‐ヘムロック‐





「それから私は黒菱探偵社の社長の位置に就きました。界は父の遺産を全てつぎ込み、貴方達が勤める興信所を設立したのです。……盟と共に」

「界くんが社長になるハズだった。それなのに?」

「わざわざ、なんの為に? 礼二さんの会社じゃ出来なくて、ウチならできる事って!?」

「それが私の知りたい2人の秘密です」


 礼二はアルバムの最後のページの色紙をペリペリと捲った。すると隠されていたように1つの封筒が出て来た。
 それは先程の礼二の話しに出て来た、灰仁が息子、娘に1通づつ遺したと言う、もう1つの遺言書であった。


「父が私に遺した最期の情報です」



我が息子 礼二へ

これまでお前には随分と苦労を掛けてきた。運命という物があるとするなら、私は本当に恵まれた子供を持つことができたものだ。
利口なお前の事だから、きっと私の考え方に賛同してくれると信じている。遺言通り、界を黒菱探偵社の社長にしてやって欲しい。
詠乃君に必要な情報は預けている。界を社長にし、お前には良き理解者として捜査の前線に立って貰いたい。
今から界をしっかり教育してやってくれ。

「どんな時も界と盟を頼む」

黒菱 灰仁