HEMLOCK‐ヘムロック‐


「そうですが。それが?」


 礼二はさも当たり前かの様に肯定した。
逆に質問されて透も泉も困惑の色を隠せない。


「界は……、その事を隠していました」

「隠す? 私達は血の繋がりこそありませんが、法的にも立派に家族です。界も盟も私の兄妹という事は事実ですよ」




「嘘。界くんと仲悪いくせに」


 泉の一言で透と礼二の視線は一気に解けた。
今は両者とも、驚きの色を混ぜた瞳で泉を見ている。


「それは私と界の問題で、あなた方には関係ないでしょう」


「どうかな? 泉、ちょっと思い付いちゃった♪」


 泉は礼二に啖呵を切った勢いでか、少しいつもの調子を取り戻した。
ここまで来たら引けないという、ヤケクソ的なノリかも知れない。
下手な事を言うんじゃないかと、透は内心穏やかではなさそうだが。


「思い付いた?」


「礼二さんと界くんが仲悪いのって、『HEMLOCK』が関係してるんじゃないですか?」


 礼二の眉が微かに動いた。
この様な緊迫の探り合いの中でなければ、それは解らなかっただろう。

 泉が思い付いたというのは森永刑事の言葉だった。彼女は界が『HEMLOCK』を調査しているのは「盟が関係しているのでは?」と読んでいた。