HEMLOCK‐ヘムロック‐




「礼二さん、お聞きしたい事があります。結構沢山」


 泉は出来るだけ礼二を見据えて言った。


「私もありますね。とりあえず、席にどうぞ」


 組んでいた指をほどき、礼二は社長席の前のソファーを示した。
興信所の黒いソファーと違い、社長室の内装に合わせた赤いモダンなデザインのソファーだった。

 2人がそれに座ると、礼二も向かいに座わる。

 改めて見る礼二の表情は、泉が彼に『HEMLOCK』の事を尋ねた時よりも冷酷な顔で、冷たい等よりも憎悪と言う形容の方が似合っている。
 ソファーに座った2人は猛獣の檻に閉じ込められた気分だった。


「どういう経緯で知ったかは知りませんが、その通りですよ」


 礼二のいきなりの肯定。


「界も盟も、私の血の繋がった兄妹ではありません。私は本来一人っ子です」

「……俺達は、界の14年前の事件の記事でそれを知りました」


 透も礼二に静かに語りかけた。両者とも互いの目から視線を外せない。


「俺達が今日聞きに来たのは、界と盟の関係です。俺は少なくとも、盟は界の実の妹だと思っていました。
……でも、そうでは無いんですよね?」