HEMLOCK‐ヘムロック‐




 後日、透と泉は上手くそれぞれ事務所を抜け出せた。
と言うより、泉は仮病で休み、透はUSBなど備品を買ってくると界と盟を騙したのだ。


「一体何て言って礼二さんにアポ取ったんだ?」

「最初は秘書の城戸さんが電話出たんだけどね、“礼二さんって実は一人っ子なんですよね?”って言ったら、なんと本人に直接代わってくれたよ♪」



 なんと際どいカマ掛けだろうか。
 透はアポが通った事を、天に感謝しながら道を進んだ。

 しかし2人共気付いていた。
そんなアポが通ったと言う事は……、

界、盟、礼二の関係は、やはりそう言う事なのだろう。と――。


 礼二の会社、黒菱探偵社のエントランスに着くと、社長秘書の城戸 勇が迎えに来ていた。
泉の電話に出て、礼二に繋いだ人物である。


「お久しぶりです。泉さん! ……そちらの方も興信所の方ですね?」


 透は「はじめまして」と勇に挨拶をし、名刺を差し出した。
透はこの秘書と会うのは、今日が初めてなのだ。

 3人はエントランスを抜けエレベーターに乗った。


「それにしても泉さん! あの電話どうゆう意味なんですかっ? 私、びっくりして思わず社長に電話回してしまいましたよ~」