HEMLOCK‐ヘムロック‐

 全くの初耳であった。
驚愕する泉に映が説明を付け足した。


「泉ちゃん、俺と透はもともとみなしごで、孤児院で育ったんだ。界は……、両親を亡くして」

「うっそ。じゃあ、界くんて……」

「話戻すけど、アタシは透と界が『HEM』の事件がきっかけで再会したって知って、界の事も悪いケドちょっと調べさせてもらったわけ。
恐らく『HEMLOCK』と言う謎のクスリが初めて日本に来たのは3年前。透が働いていたホストクラブが客にそれを流し始めた時だ」


 透は肯定の意味でか、黙って頷いた。


「でもそんなの知ってるのは事件の当事者か警察だけ。なのに黒菱 界はすでにその頃から『HEM』の存在を知っていた。おかしいと思わない?」


 そう言われて透は確かにおかしいと感じた。
 今まで透は『HEMLOCK』を普通の麻薬と同一視していたため、界が知ってても疑問に思わなかったが、実際はつい先週まで『HEMLOCK』は世界にとって“存在しないクスリ”だったのだ。

 界はどこで『HEM』を知り得たのだろうか?


 そもそも何の為に、界は『HEM』と関係しているのだろうか――?




「界くんと『HEM』に特別な関係があるって事?」