ところが、


「このやろう!」

ついに、ねこさんが、
後から来たにんげんさんが持って来た、
長くてするどいもので、
背中を切り裂かれてしまいました。

ねこさんは、すさまじい痛みを感じて、
必死に草かげに逃げ込みました。

それを見たひなどりさんは急いで
ねこさんの元にかけつけました。

「ねこさん!だいじょうぶ?」

「ああ・・・ひなどりさん・・・。
えへへ・・・やられちゃった・・・。

ぼく・・・血がいっぱい・・・
出てる・・・ね。

・・・きっと・・・ぼくは・・・
死ぬんだ・・・。

かえるさんも・・・とりさんも・・・
あのとき・・・血が・・・いっぱい・・・
出てた・・・。

ひなどりさん・・・、
ぼくが・・・死んだら・・・
あの池に・・・沈めて・・・。

とりさんとの・・・約束・・・
守れなかった・・・から。
ぼくが・・・代わりに・・・。

はあ・・・はあ・・・痛い・・・。

つかれたよ・・・。
ちょっと・・・休むね・・・。
 
ひなどりさん・・・、早く・・・。

にんげんさんの死を・・・
むだにしちゃ、いけない」