「ねぇ美帆。あのさ~、この前数学終わって先生に呼び出されたでしょ?あたし見ちゃったんだあ。美帆と陸先生がキスしてんの。2人って付き合ってるわけ?」

え・・・
見られてたの?
ドア、ちゃんと閉まってたのに・・・。
てか、別に付き合ってないし・・・。

「付き合ってなんかないよ」
うん、付き合ってはない。
だからこの返事でいいよね?

「じゃあなんでキスしてんのよ?」

おしおき・・・
じゃあだめかなぁ?
でも実際先生は「罰」みたいなこと言ってたしな。

「なんで黙ってんの!?やっぱ付き合ってんじゃない!!!!!」

「だから付き合ってはないよ。・・・あのキスはね、事故なの。」

これでいいや・・・。
本当のことを言って噂になったら先生はクビになっちゃうもんね。
会えなくなるのは嫌だから・・・。

「事故?んなわけないじゃない。先生からキスしてたでしょ?」

「・・・本当はあたしが脅したの。秘密をばらされたくないのなら。ってね?」

しょうがない。
あたしが悪者になるしかない。
先生がやめなくて済むためには・・・。

「美帆って最低だね。人の弱味に付け込んで先生にキス要求するなんて。結局美帆は先生が好きなんでしょ!?あたしだって先生のこと好きだけど・・・決してそんな汚いマネしないよ。」

なんであたしがこんなボロクソ言われなきゃいけねぇんだよ・・・。