―――おかしいな。



ほんの少しの不安が、私の中に小さな染みを作る。


それから何本か電車が駅に着いても、お客さんの中にユヅキさんの姿は無かった。




―――もしかして、残業なのかな。



さっきまでの浮かれた気分は、もう、どこにもなく、私は意識を入り口のドアへと集中させた。





もうすぐバイトが終わる時間。


私は、焦燥に駆られた。



その時だった。