そういえば、ここ最近、毎晩のように弁当を買っていくサラリーマンがいる。


終電には、まだ時間はあるけれど、それでも仕事帰りにしては遅い時間。



「お弁当温めますか?」



いつものように私は事務的に聞く。


彼は、微かに頷き、神経質そうな指で財布を探る。


細身で長身。

年は20代後半くらいかな。


酷く偏食なのだろう。


煙草にビール、弁当。


そして、欠かさず野菜ジュースとヨーグルト。


会計を終え、弁当が温まるのを待ちながら、彼に目をやる。