進級してクラスメイトが変わり、
私は仲の良かった友達と
同じクラスになった。
そして、
夢に彼が出てくることはなくなった。
凄く嬉しくて、
どこか浮かれていたのかも知れない。
そんなある日。
「や、やばい。急がなきゃっ!!」
いつもなら、
廊下を走ることなんてするはずがない。
その日は【特殊】だっただけだ。
角を曲がろうとすると、
人にぶつかってしまう。
先生だったらどうしよう・・・。
そんなことだけを考えていた。
「す、すみません。」
「いや、大丈夫です。」
「ぃいそいでいるので、失礼します・・・!!」
私はその時顔も見ずに走って逃げた。
覚えているのは、
身長が175㎝はありそうなことと、
うちの生徒ではないことだけだ。
うちの制服は
着ていなかった気がするからだ。


