だから、嘘をついた。

 

「実はさ、好きな人変わったんだ。」
 


嘘の相手の名前は

『真下 蒼空(ました そら)』。


同じ小学校出身だ。
 


それを告げると周りの友達は

かなり驚いていた。


本当は嘘なんだけれど。
 

そのあと、

少しの間はいじられなくなったが、

またすぐ元通りになった。
 

忘れようとして自分を裏切るのは、

凄く苦しいものだと私は思った。