風のおとしもの。








「大切な人って……」


やや考えてから、あぁ、とため息をついた。
私は勘違いしていたんだ。
茜があんなふうに言うので、つい男が出来たのかと思ってしまっていた。

友達に対して“大切な人”だなんて、純粋なあの子らしい言い方に頬が緩んだ。