「じゃーな」


そう言うと、村井君は校門に向かって歩き始めた。
あれ。まだホームルーム終わってないよね?
不思議に思って村井君の行動を見ていると、その手には学生カバンが提げられ、下校してしまうようだった。
村井君気付いてないのかな。


「村井君、待って下さい!」

「あー…?」

「まだホームルームが終わってません!」

「ちょ、お前っ……」

「急ぎましょう!」

「あのなぁ―――!」


私は校門に向かう村井君を追いかけ、その手をとる。
でもお昼の時のようにはいかず、乱暴に払いのけられてしまった。