「あ、ごめんっ」
私の様子を察して、佳代さんは手を離してくれた。
「ごめん、ふざけすぎたよ。大丈夫?」
「はい、私は大丈夫です」
「どっか痛む?」
その反動で体がわずかに傾いだけど、村井君が支えてくれる。
佳代さんは心配そうに近づき、私の手首をさする。
やっぱり佳代さんは優しい方ですっ。
「爪とか食い込まなかった?ホントにごめん」
「はい、ほらこの通り!」
「………」
それを見てか、村井君は罰が悪そうに私の手を離してくれた。
やっぱり村井君も優しい人です!
感慨に浸っていると、急に手を引かれる。
ぅわっ!?
