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「何、雛んトコの親はお友達審査会でもするの?」
佳代さんは棘のある言い方をし、ため息をつく。
目も心なしかつり上がっているような……?
こんな雰囲気の佳代さんは初めてで、少しだけ怖いです……。
美紀さんや里香さんにも迷惑を掛けてしまって、最低だ。
やっぱりこんな急にお願いするなんて失礼だったよね。
昨日も何かしてしまったみたいだし、昨日の今日で私、空気読まなすぎだ。
うぅ………。
「厳密には、親ではないんですけど……」
「おじさんとおばさんだっけ?」
「私留年しているので、お友達ができたっていったらすごく喜んでて……」
すいませんと呟くと、佳代さんは後ろ頭をかいた。
「………ま、何でもいいんだけどさ」
佳代さんはまた小さくため息をついた。
でも今度はいつもみたいに優しい佳代さんだ。
よかった、もう怒ってないみたい。
今度からは気をつけよう。
佳代さんが優しい人だからって、頼りきりになっちゃダメです!
「あっ」
「ん?」
「村井君がいます」
「なんで小声なの」
今日は図書室に寄らなかったからか、私たちの前を歩く村井君を見つける。
思わず声を出してしまったものの、昨日のことがあったので小声になってしまいました。
でも佳代さんは特に気にする様子もなかったので、ちょっと安心しました。
「……脅かしてやるか」
「何するんですか?」
「お、珍しく乗り気じゃん」
の、乗り気というか、単純に疑問に思っただけなんですけど……。
佳代さんが楽しそうなので水を差す気にはなれない。
