風のおとしもの。







「マジありえないんですけどぉ…」

「何かあったのか?」


今日は図書室に寄れないことになってしまった。
お二人にそのことを告げると、重たそうな鞄をぶら下げた美紀さんが、がっくりと肩を落とす。
ごめんなさい、本当にごめんなさい!


「いや、それがさ…」

「私のおじさんとおばさんが、佳代さんを家に連れて来るようにって」

「なんで」

「昨日佳代さんについて話していたら、今度連れて来なさいと言われて…」

「それ今日じゃなくてもいいじゃーん!」

「いえ、その……なんていうか……」

「きき迫る感じだったんだと」

「は?」

「二つの意味で」


里香さんと美紀さんは顔を見合わせて首を傾げた。