風のおとしもの。





今日の晩御飯はコロッケだった。


「どう?美味しい?」

「はい、とっても」

「あら、よかったわぁ」


おばさんは、若い子が好むような料理ばかり作ってくれる。
おじさんも文句を言わず、黙々と食べる。
私に気を使ってくれるのは嬉しいけど、ちょっと気が引けてしまう。


「ひーちゃん、最近何かあったんでしょ?」

「えっ……」

「昨日嬉しそうに帰ってきたと思ったら、今日は暗い顔して帰ってきたでしょう?」

「そうなのか?」

「あ、えと……」

「好きな子が出来たのかしら」


ねぇあなたとにっこり笑うおばさんは、ちょっぴり可愛い。