風のおとしもの。





「あら、お帰りなさい」

「はい……」


台所で晩御飯をつくるおばさんが、にっこりと迎え入れてくれる。
帰り道の佳代さんの態度が気になってしまい、おばさんの顔を見もせずに生返事してしまう。


「どうしたの?また元気がないのね」

「はい……」

「何があったのかわからないけど、あまり考えすぎちゃ駄目よ」

「………はい」


おばさんはあらあらと苦笑いし、晩御飯の支度に戻る。