風のおとしもの。





「そういえばさ、雛って村井と仲いいよね」

「そう見えますか?」

「うん」

「いつも怒らせてばかりで、私はあまり好かれていないと思いますけど」

「いや、あいつが他人に興味持つなんて珍しいよ。それだけ雛のこと気に入ってるんだと思う」

「そうなんですか?」


もしそれが本当だとしたら、とっても嬉しい。
それが顔に出てしまったみたいで、佳代さんに笑われる。
…恥ずかしいです……。


「うん。いつもはもっと尖っててやなカンジだしさ」

「それなら、佳代さんも村井君と仲良しですよね」

「……え?」

「いつも楽しそうです」

「………そっか」


佳代さんは空を仰ぎ、小さくため息を零す。
その表情はどこか寂しそうで……。
私、また余計なことを言ってしまったのでしょうか。