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「よぉ」
「村井君!」
「何、待ち伏せ?」
図書室に向かう途中で、窓に寄り掛かる村井君に出会った。
ニヤニヤする佳代さんは無視して、村井君は喋り出す。
「今日は餌付けしなかったんだな」
「餌付けって……私そんなつもりはなかったんですけどね」
小鳥さんたちのことだよね。
私は苦く笑いながら返すと、村井君は歯切れが悪そうに尋ねる。
「今日は、どこで食ってたんだ?」
「何、気になるの?」
「お前には聞いてねぇよ」
「えぇと、今日は佳代さんたちと食べました」
「そうか」
尋ねたわりにそっけない返事をし、村井君は踵を返した。
……何か、あったんでしょうか?
