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「あ……」
「雛、おはよ」
「高見さん。あの……私、昨日考えたんです」
私の深刻な表情に気付き、高見さんは早足で席に着いてくれる。
どう切り出せばいいんだろう。
それに間違ってたら失礼かもしれないし、どうしよう。
「なんかあった?」
「高見さん、えと、私……」
「うん」
「………」
でも言わなくちゃダメだよね。
私のためにたくさんのことをしてくれた高見さんのためだから。
私は一瞬押し黙った後、掠れた声で呟く。
高見さんはよく聞き取れなかったみたいで耳を近づけてきた。
もっと大きな声で言わなくちゃ聞こえないって、頭ではわかっていたけれど、うまく声がでない。
もう一度呟くと、高見さんは驚いたような顔をして私を見つめる。
あ………伝わった、かな?
そ、それよりも、そんなにまじまじと見られるとちょっと恥ずかしい。
